きしめん辞典
きしめんに関する
あらゆる知識をご紹介!
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八丁味噌
「みそきし」「みそ五目」等のきしめんのメニューに使う八丁味噌。
名前の由来は、愛知県岡崎市の岡崎城から八丁(約870メートル)離れた八帖町(旧・八丁村)にあります。
特徴は、大豆、塩のみを原料とし、大きな杉桶に仕込み、天然の川石を山のように積み上げて重石とし、2年間熟成させること。
大豆の旨味がぎゅっと凝縮した、濃厚なコクと独特の風味が魅力です。 -
「きしめん」と「ほうとう」の違い
武田信玄も愛した山梨の「ほうとう」。「きしめん」との最大の違いは「塩」にあり。
名古屋の「きしめん」と同様に、平たく薄い麺を使う料理として山梨県の「ほうとう」があります。
「ほうとう」は山梨県を代表する郷土料理
ほうとうは、平打ちの麺をかぼちゃや芋、根菜などの野菜を中心とした具材とともに味噌仕立てのつゆで煮込んだものです。
ほうとうの歴史は古く、戦国時代には武田信玄が陣中食として食べていたという説もあります。同じ平打ち麺を使う「きしめん」と「ほうとう」ですが、その麺のつくりには大きな違いがあります。
◇最大の特徴は「塩」
「きしめん」はしっかりとしたコシを生み出すために塩を加えて生地を打ちますが、「ほうとう」の場合は塩を加えずに小麦粉と水のみで生地を打つのが基本となります。またコシを生み出すために生地を寝かせて熟成させる「きしめん」に対し、「ほうとう」は出来上がった生地をすぐに伸ばして切るのも特徴。
「ほうとう」は、打ち粉をつけたまま味噌仕立てのつゆの中で煮込むため、とろみのある仕上がりになります。◇つゆ
「きしめん」はたまり醤油や白しょうゆ等を使ったつゆで食べることが多いのに対し、「ほうとう」は味噌仕立てのつゆで煮込むのが基本。
その点では「ほうとう」は「きしめん」よりも「すいとん」や秋田の「おっきりこみ」などに近い料理といえましょう。
地元山梨の家庭では大きな鍋で「ほうとう」を煮込み、汁物として食べられることも多いそうです。名古屋の「きしめん」と山梨の「ほうとう」、どちらもそれぞれの地域に根ざした料理として今も広く愛されています。
※ほうとうの写真の出典:ほうとう歩成さまWebサイトメニューページ「黄金ほうとう」
https://www.funari.jp/menu
(2021年11月29日に利用) -
名古屋のきしめんの「だし」
名古屋のきしめんの味を支える「むろ・さば」とは?
うどんに使われるだしの味は地域によって様々です。
・関東地方
主に鰹節の出汁に濃口醤油を合わせた濃い目の味付け。・関西地方
主に昆布をベースにした合わせだしに薄口醤油で軽めに仕立てた味。・讃岐うどん
「いりこ」と呼ばれるカタクチイワシの煮干しでとっただしが基本形。・博多うどん
アゴ(トビウオの煮干し)がよく使われる。◇名古屋(きしめん・うどん)
だしの基本は「むろ節」と「さば節」の合わせだし。
「むろ節」とはムロアジから作られた節で、まろやかでさっぱりとした味わいが特徴です。
「さば節」はその名の通りサバから作られた節。
脂分が多く、濃厚で旨味たっぷりの濃い味のだしをとることができます。「赤つゆ」
「むろ・さば」をベースに「ソウダガツオ」などをブレンドしてとった出汁に、「たまりしょうゆ」を合わせて作られる「赤つゆ」は名古屋ならでは。
出汁に含まれる動物性の豊潤な旨味と、「たまりしょうゆ」の大豆由来の濃厚な旨味の相乗効果で「まろやかなのにたっぷりとコクのある味わい」が生まれます。「白つゆ」
基本の出汁に白しょうゆを合わせた「白つゆ」も、華やかな香りの中からストレートに出汁の美味しさが感じられる美味しいつゆ。
「天ぷらきしめん」や「しのだきしめん」など「種もの」と呼ばれるきしめんには、具材の味わいを引き立てる「白つゆ」がぴったりです。 -
白醤油
小麦を原料とする琥珀(こはく)色の醤油。
素材の色をそのまま残し、やさしい味わいに仕上がるので、和食には欠かせない調味料として椀物や炊き合わせなどに多用されています。
「白醤油」の醸造業者は全国で10社弱ですが、そのうち3社が愛知県碧南市にあります。
天ぷらや玉子とじなど具をのせたきしめんのつゆに用いられます。 -
たまり醤油
大豆を原料とした豆味噌を作る過程で、にじみ出た液体だけを取り出したのがはじまりといわれています。
濃厚な旨みと独特の香りが特徴で、刺身や寿司、照り焼きのほか、きしめんのつゆにも用いられます。
一般的な醤油と比べて塩分が少ない上にたんぱく質量も豊富です。