きしめん辞典
きしめんに関する
あらゆる知識をご紹介!
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「きしめん」と「ほうとう」の違い
武田信玄も愛した山梨の「ほうとう」。「きしめん」との最大の違いは「塩」にあり。
名古屋の「きしめん」と同様に、平たく薄い麺を使う料理として山梨県の「ほうとう」があります。
「ほうとう」は山梨県を代表する郷土料理
ほうとうは、平打ちの麺をかぼちゃや芋、根菜などの野菜を中心とした具材とともに味噌仕立てのつゆで煮込んだものです。
ほうとうの歴史は古く、戦国時代には武田信玄が陣中食として食べていたという説もあります。同じ平打ち麺を使う「きしめん」と「ほうとう」ですが、その麺のつくりには大きな違いがあります。
◇最大の特徴は「塩」
「きしめん」はしっかりとしたコシを生み出すために塩を加えて生地を打ちますが、「ほうとう」の場合は塩を加えずに小麦粉と水のみで生地を打つのが基本となります。またコシを生み出すために生地を寝かせて熟成させる「きしめん」に対し、「ほうとう」は出来上がった生地をすぐに伸ばして切るのも特徴。
「ほうとう」は、打ち粉をつけたまま味噌仕立てのつゆの中で煮込むため、とろみのある仕上がりになります。◇つゆ
「きしめん」はたまり醤油や白しょうゆ等を使ったつゆで食べることが多いのに対し、「ほうとう」は味噌仕立てのつゆで煮込むのが基本。
その点では「ほうとう」は「きしめん」よりも「すいとん」や秋田の「おっきりこみ」などに近い料理といえましょう。
地元山梨の家庭では大きな鍋で「ほうとう」を煮込み、汁物として食べられることも多いそうです。名古屋の「きしめん」と山梨の「ほうとう」、どちらもそれぞれの地域に根ざした料理として今も広く愛されています。
※ほうとうの写真の出典:ほうとう歩成さまWebサイトメニューページ「黄金ほうとう」
https://www.funari.jp/menu
(2021年11月29日に利用) -
名古屋のきしめんの「だし」
名古屋のきしめんの味を支える「むろ・さば」とは?
うどんに使われるだしの味は地域によって様々です。
・関東地方
主に鰹節の出汁に濃口醤油を合わせた濃い目の味付け。・関西地方
主に昆布をベースにした合わせだしに薄口醤油で軽めに仕立てた味。・讃岐うどん
「いりこ」と呼ばれるカタクチイワシの煮干しでとっただしが基本形。・博多うどん
アゴ(トビウオの煮干し)がよく使われる。◇名古屋(きしめん・うどん)
だしの基本は「むろ節」と「さば節」の合わせだし。
「むろ節」とはムロアジから作られた節で、まろやかでさっぱりとした味わいが特徴です。
「さば節」はその名の通りサバから作られた節。
脂分が多く、濃厚で旨味たっぷりの濃い味のだしをとることができます。「赤つゆ」
「むろ・さば」をベースに「ソウダガツオ」などをブレンドしてとった出汁に、「たまりしょうゆ」を合わせて作られる「赤つゆ」は名古屋ならでは。
出汁に含まれる動物性の豊潤な旨味と、「たまりしょうゆ」の大豆由来の濃厚な旨味の相乗効果で「まろやかなのにたっぷりとコクのある味わい」が生まれます。「白つゆ」
基本の出汁に白しょうゆを合わせた「白つゆ」も、華やかな香りの中からストレートに出汁の美味しさが感じられる美味しいつゆ。
「天ぷらきしめん」や「しのだきしめん」など「種もの」と呼ばれるきしめんには、具材の味わいを引き立てる「白つゆ」がぴったりです。 -
きしめんとうどんの違い(麺)
きしめんを打つのはうどんを打つよりも大変!?平たい麺に隠されたヒミツとは
「きしめん」と「うどん」の麺にはどのような違いがあるのでしょうか?
きしめんもうどんも小麦粉に塩と水を加えて練り上げた生地で作られる麺であり、ここに大きな違いはありません。
そのため、日本農林規格(JAS)や食品表示基準などでは、きしめんはうどんの一種として扱われています。
◇麺の形状の違い
きしめんとうどんを見比べたときに最初に気がつくのが麺の形状の違い。
平たくて薄い帯状の麺である「きしめん」であるのに対し、うどんは丸や四角の断面になっています。実際、日本農林規格(JAS)でも、乾麺については「長径が1.7mm以上に成形したもの」をうどん、「幅を4.5mm以上とし、かつ、 厚さを2.0mm未満の帯状に成形したもの」をきしめんとして定義しています。
◇きしめんはうどんより手間がかかる
実は、名古屋の昔ながらの手打ちの作り方では、きしめんのほうがうどんより作るのが大変です。
・労力
うどんよりも薄く伸ばしていくため、職人の間でも「きしめんを打つのはうどんを打つよりも大変」と言われています。・作業場
うどんより薄く広く伸ばすため、作業場所を広くする必要があります。このため、一度に作ることができる量が少ないです。現在名古屋市内では、手打ちきしめんを食べられる店舗はほとんどありません。
当社吉田麺業では、機械と人の手で、名古屋の手打ちきしめんの味を再現しています。なめらかなツルツル食感、もちもちとした歯ごたえは、名古屋のきしめんだから出せる特徴です。
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えびおろし
今や名古屋めしの一種と記され、名古屋人がこよなく愛する、えびおろし。
だしつゆを注いだきしめんやうどんの上に、えびの天ぷらと大根おろしをのせたもので、他地域ではなかなか見られない愛知県特有のメニューです。
天ぷらそのもののサクサク感も、だしつゆをひたした味わいも満喫できるのが魅力です。 -
半生麺
できあがったきしめんをひと晩ほど乾燥させます。
乾麺に比べ茹で上がりが早く、もちもち感を楽しめるのが特徴です。
なお、「きしめん」と名乗るには、「乾麺」については日本農林規格(JAS)で幅や厚さが定められていますが、「半生麺」や「生麺」には基準がありません。
一般的には、平たい形状の麺としています。