きしめんのつゆについて
その1
一部例外はありますが、きしめんのつゆに使うダシにカツオ節や昆布は使っていません。
ムロアジをベースにサバ節やソウダガツオをブレンドしたものを使用しています。
なぜかは定かではありませんが、昔は三河湾や遠州灘でムロアジが多く獲れたという説が有力のようです。
その2
ムロアジやサバ節、ソウダガツオのダシは、カツオ節や昆布のそれと比べると、多少のクセがあります。
が、たまり醤油と合わせるとクセが和らいで、美味しいつゆになります。
名古屋のきしめん店の多くは、つゆにたまり醤油を使っています。
その3
シンプルなかけきしめんやとろみをつけたあんかけきしめんは、たまり醤油ベースの「赤つゆ」ですが、天ぷらや玉子とじなど具材が入るきしめんには、白醤油ベースの「白つゆ」になります。
具材が茶色く染まらないようにするためといわれていますが、赤と白、2種類のつゆを使い分けるのは全国でも名古屋のきしめんだけでしょう。
その4
濃口醤油は、大豆と小麦が主原料ですが、きしめんのつゆに使われるたまり醤油は、少量の小麦を使用することもありますが、原料のほとんどは大豆です。
大豆が多い分、旨味成分を多く含んでいるのが特徴です。
きしめんのつゆのほのかな甘みはたまり醤油によるものなのです。